「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(R2/3/28)」の「情報提供・共有」まとめ
令和2年3月28日発表の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」1の「三 新型コロナウイルス感染症対策の実施に関する重要事項 > (1)情報提供・共有」に「①政府は、以下のような、国民に対する正確で分かりやすく、かつ状況の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を進めるとともに、冷静な対応をお願いする。」(7-8ページ)と書かれており、8ページにその具体例が載っています。
ただ、それぞれの情報がネット上ではどこに書いてあるかすぐには分かりませんでした。なので、項目ごとに、適すると思う情報をまとめておきました。なお以下の情報が正しいとは限りませんので、活用の際はご自身でご確認ください。下記それぞれの情報作成者の方に感謝いたします。
- 全体
- 発生状況や患者の病態等の臨床情報等の正確な情報提供
- 国民にわかりやすい疫学解析情報の提供
- 手洗い、咳エチケット等の基本的な感染対策の徹底
- 体調不良時の休暇取得、学校の欠席、外出自粛等の呼びかけ
- 相談・受診の考え方を周知
- 差別防止の呼びかけ
- 「三つの密」を避けることについて
- 従業員及び学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知
- 家族以外の多人数での会食を避けること
- 今回の対策では「ロックダウン」をしないこと・国民の落ち着いた対応の呼びかけ
全体
先述の「(1)情報提供・共有」の各事項ではありませんが、政府自体が作ったポータルサイトとWikipediaの外部リンク集が各政府機関の情報へのアクセスのしやすさに繋がると思いますので、ここに「全体」として載せておきます。
- 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の対応について|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室:最近作られた新型コロナウイルス用サイトです。今後はここに情報が集約されていくものと思われます。
- 新型コロナウイルス感染症の流行 (2019年-) - Wikipedia > 外部リンク:(2020/4/12確認)日本の各政府機関・研究機関およびWHO等の、新型コロナウイルス感染症に関するポータルページのリンクがまとまっています。気になる情報に関連しそうな政府機関のページを訪れてみてはいかがでしょうか。
発生状況や患者の病態等の臨床情報等の正確な情報提供
以下は国内についての情報です。
- 新型コロナウイルス感染症について > 国内の発生状況:表が見にくいですが一応ここがもっとも公式的な発表場所になるかと思います。
- 新型コロナウイルス感染症 国内事例ダッシュボード(3D 簡易版):厚生労働省が発表している、グラフィカルな感染状況です。情報更新は少し遅めのようです(「確定日の情報が調査中の症例は含まれていません」とのことです)。2
- 新型コロナウイルス感染速報:政府発表の情報ではありませんが、報道ベースで情報を確認しているようです3。こちらの方が情報がグラフィカルにかつ整理されてまとめられており、見やすいと思います。
- COVID-19 Japan - 新型コロナウイルス対策ダッシュボード #StopCOVID19JP:政府発表の情報ではありませんが、感染者数に加えて、現時点での新型コロナウイルスに使える病床数もまとめられています。4
以下は海外についての情報です。
- 外務省 海外安全ホームページ|各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況:外務省発表の情報です。日々更新されているようです。
- COVID-19 Map - Johns Hopkins Coronavirus Resource Center:ジョブ・ホンキンス大学というところがまとめている情報のようです。グラフィカルで、世界の感染拡状況が分かりやすいかと思います。
国民にわかりやすい疫学解析情報の提供
- 国民の皆さまへ 関連情報((新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省:最新の状況ではありませんが、新型コロナウイルスに関する主要な特徴がまとめられています。まずはここを抑えておくと良いものと思われます。
- 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省:専門家会議の見解がおおむね2週間に1回程度の頻度で更新されています。専門家の方々がコロナウイルスの状況についてどのように考えているのかが、専門用語をできるだけ使わずまとめられています。
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省の「専門家会議の見解や政府の方針等に関すること」に、上記の見解が要約されています。上の書類を読む時間がない方は、こちらの質問だけでも読んでおくと良いかと思います(長くて各800字ほどです)。
手洗い、咳エチケット等の基本的な感染対策の徹底
- 新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ > 5. 感染症対策へのご協力をお願いします(チラシ):このチラシ群が一番分かりやすいと思います。
体調不良時の休暇取得、学校の欠席、外出自粛等の呼びかけ
原文:「風邪症状など体調不良が見られる場合の休暇取得、学校の欠席、外出自粛等の呼びかけ」
- 新型コロナウイルス感染症(よくあるお問い合わせ)|厚生労働省 > 心配な時は:まずはここを読みましょう。
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省5:「症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について」の部分に、より詳しくQ&A形式で載っています。
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)|厚生労働省:労働者の休暇取得や補償についてのQ&Aが載せられています。
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)|厚生労働省:労務管理や使用者の方はこちらが参考になるかと思います。
相談・受診の考え方を周知
原文:「厚生労働省が作成する「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の考え方」をわかりやすく周知」
- 国民の皆さまへ 関連情報((新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省:ここの「相談・受診の目安」部分に載っています。
差別防止の呼びかけ
原文:「感染者・濃厚接触者や、診療に携わった医療機関・医療関係者その他の対策に携わった方々に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことの呼びかけ」
少し探した限りですが、見つかりませんでした6。
「三つの密」を避けることについて
原文:「室内で「三つの密」を避ける。特に、日常生活及び職場において、人混みや近距離での会話、多数の者が集まり室内において大きな声を出すことや歌うこと、呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促す。飲食店等においても「三つの密」のある場面は避けること」
- 3つの密を避けよう!|政府インターネットテレビ:動画で具体的な状況の一例が説明されています。一番イメージしやすくて分かりやすいかと思います。
- 新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ > 5. 感染症対策へのご協力をお願いします(チラシ):紙媒体では、ここにある「3つの「密」を避けましょう!」のチラシが分かりやすいかと思います。
従業員及び学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)|厚生労働省:ここにも、健康管理や感染対策についてQ&A形式でまとめられています。
- 新型コロナウイルス感染症について > 働く方と経営者の皆さまへ :ここにも情報がまとまっているようです。特に「【関係団体への要請】 > 新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について労使団体への要請(3月31日)」が今のところの要請内容のように思われます。
学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知は、少し探した限りですが、見つかりませんでした。
家族以外の多人数での会食を避けること
少し探した限りですが、見つかりませんでした。おそらく、「三つの密」が避けられない状況になるからだと思います。
今回の対策では「ロックダウン」をしないこと・国民の落ち着いた対応の呼びかけ
原文:「今回の対策では、「ロックダウン」(都市封鎖)のような施策は政府として実施しないことを周知し、国民の落ち着いた対応(不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動の自粛等や商店への殺到の回避及び買い占めの防止)の呼びかけ」
- 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の対応について|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 > の「国民の皆様へ ~まん延を防止するために~」に書かれてあるメッセージがこれに相当するかと思います。
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余談ですが、URLはできるだけいつでも特定の場所を指していてほしいので、後で変更されそうな(=リンク切れになりそうな)変更日の日付が入ったURLにはしないでいただきたいな、と思ったりはします。↩
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3Dマップのため表示には少し時間がかかります↩
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「あくまで自分が収集したデータですので、データが間違った可能性はあります。厚生労働省などの公的機関の報道に参考してください。」(引用元)とのことです。↩
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北海道の右上を起点に、縦方向に東北〜九州・沖縄の順番で並べられているようです。個人的には左上起点に横方向に並んでいる方が、分かりやすいです(このページが基本的に横書きでできているので)↩
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余談ですが、URLには「dengue_fever」が使われています。もともとデング熱用のQ&Aページを流用したのでしょうか……?↩
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私の考えを書いておきます。こういうことについての差別は、感染症に関する恐れが原因のように思います。恐れること自体は生命維持にとって適切な反応です。ですが、恐れの心が強くなりすぎて、ストレスが強くかかると、とにかくその恐れから離れたい一心になってしまいます。それで、落ち着いているときにはできるような理性的な判断ができなくなってしまい、「自分とは関係がない人たちが感染している」(から問題ない)や「感染者に近い人たち(医療従事者)があぶない」(からその人たちからは徹底的に離れる)という発想になるのだと思います(実際のところ、感染症の原因になる細菌やウイルスは人を選びませんし、医療従事者はずっと昔から平均的に一般の人たちよりも感染症対策に気を配っているはずです)。ですから、まず自分が恐れを感じていることを認めて(それはとても自然なことです)、「国民にわかりやすい疫学解析情報の提供」書いてある情報などを摂取して、状況に応じてできるだけ普段通りの生活を送りながらも、感染予防と感染拡大防止に効果のある行動をしていきましょう。↩